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オオアマカジについて 後編

前編ではアマカジの生態について詳しく述べた。いよいよ本題に入ろう。オオアマカジとは一体何者で、なぜオオアマカジの存在がアマカジの栄枯盛衰を決定付けたのか。オオアマカジについての言い伝えをもとに紐解いていこう。

 

オオアマカジについての伝承

・通常のアマカジの数倍(一説には数メートル)の体躯を誇る

・人を殺める

アマカジの間では伝説の存在とされている

 

 

これらの情報からオオアマカジの正体について、またなぜ並行世界ではオオアマカジは存在が確認されていないのかについても検証していこう。とはいっても上記三つの伝承が意味するところはオオアマカジはその名の通り通常のアマカジよりも強靭な個体であるといったことである。通常ポケモンがとりわけ強力な力を得るために考えられる手段は進化である。アマカジの場合もアママイコを経てアマージョといった強力なポケモンへと成長を遂げるポケモンである。それではオオアマカジとはズバリアマージョのことなのだろうか。これらの答えを探るべくいくらかの仮説を立てることとする。

 

1.アマージョ説(進化説)

順当に考えればオオアマカジとはアマージョのことを指している可能性が高いだろう。しかしこの説を立証するためには不足している根拠がある。第一にアマージョの分布が確認できないこと。今回の調査においてアローラ地方の図鑑完成を遂げたトレーナーに取材を申し込んだが、彼自身アマージョアママイコを進化させることでしか入手できていないのだ。シェードジャングル周辺でもアマージョを目撃したという話は聞かないため、森の奥地に生息している、あるいは個体数が非常に少ない。またはその双方であろうか。第二に体躯である。アマージョの身長はアマカジの丁度4倍の1.2mである。しかしオオアマカジについては数メートルを超え、トレーナーの背丈からさらに倍ほどの大きさで描かれることも多いため個体差を考慮したとしてもアマージョとは考えずらい。またオオアマカジの特徴としてアマカジから大きく逸脱した物が少ないため(アマージョにはアマカジと比較して特徴的な部分が数多く存在している)我々はこの説を捨てることとした。

 

2.ただの太ったアマカジ

前述のとおりポケモン図鑑に記されている体格はあくまでもその種族の平均的な値であり、それらから多少の前後があることはご存じのとおりである。その中でも栄養状態の特にいいアマカジが巨大化したといった可能性がこの説であるが、それでは強力な戦闘能力の説明がつかない。

 

これら二つの仮説の不成立によりオオアマカジの正体はシェードジャングルの深い影の中に包まれてしまった。先の見えぬ検証の中、アローラ地方に存在する一つの習わしより新たな説の証拠が見つかったのだ。

 

3.ぬしポケモン

ぬしポケモンとは一体何か。それはアローラ地方固有の個体であり通常の同種より一回りも二回りも巨大な体躯を持ったポケモンであり、それらは不可思議なオーラを帯戦闘能力を上昇させる。これらのポケモンを倒すことがアローラ地方における島巡りの試練である。さらに、アマカジの生息するシェードジャングルはアーカラ島の試練の舞台の一つでもある。上記のぬしポケモンの特徴はオオアマカジの特徴と完全に一致しており一切の矛盾点がない。ゆえに我々はこの仮説を最有力説として発表しよう。

 

結論として、オオアマカジとはアマカジぬしポケモンとしての姿の通称なのである!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に、本当にそれだけなのだろうか。

一見矛盾のないぬしポケモン説だが、この仮説ですら説明できない問題点がある。シェードジャングルにはラランテスというぬしポケモンが既に存在しているのだ。さらにラランテスはアーラカ島の他のぬしと違い並行世界においてもぬしポケモンとしてシェードジャングルに君臨している。ラランテスをオオアマカジと呼称するにはいくらなんでも無理がある。さらにはオオアマカジは伝説の存在であるとされている。ぬしポケモンは間違いなく強力なポケモンであり、事実ゲーム中一匹しか入手できない点では伝説のポケモンと同格の扱いであるともいえるが、ぬしポケモン自体は島キャプテンにより育成の行われている存在であり、伝説と呼ぶにはあまりにも人にとってもポケモンにとっても身近な存在なのだ。

これらの解消しえない矛盾を前に研究チームの意見は真っ二つに分かれ、中にはアマカジを焼却したりドデカバシを農園に手引するといった度を越えた行為を図るメンバーまで現れるなど、心身ともに限界に達していた。やはりオオアマカジなどアマカジストが風潮しているだけのガセネタに過ぎないのか。所詮はアマカジなどただの果実であり妄想の産物としての偶像をあがめるだけの愚かな存在であったのか。そんな絶望的な状況の中、一つのアローラ地方の伝説について記された書籍を見つけた。そこに伝わる伝説の中からオオアマカジの正体は輝きとともにもたらされたのであった。

 

4.かがやきさま説

かがやきさまとはアローラに光をもたらした存在でありズバリ、ネクロズマの本来の姿である。ネクロズマがもたらした光とはウルトラオーラのことであり、これらが降りそそいだことによりぬしポケモンはオーラを纏い、トレーナーとポケモンはZワザを繰り出すことができるのだ。これらのオーラはウルトラビーストが纏っていることから本来はこの世界の力ではないことが知られている。しかしかがやきさまの正体はネクロズマであるのでオオアマカジであるはずがないのではないかと思われるだろう。だが少し待ってほしい。現在確認されているネクロズマはかつての力を失ったネクロズマソルガレオルナアーラ)を吸収しウルトラバーストした光あふれる姿であるウルトラネクロズマの形態である。ウルトラネクロズマこそがネクロズマ本来の姿でありかがやきさまであると認識しているトレーナーは多いと思われるがウルトラネクロズマに関する公式サイトでの記述は「誰も見たことのない新たな姿」「ネクロズマ自身も経験したことのない、新たな姿」「光あふれるドラゴンとして、この姿では初めて発見された」といったものであり、この姿はネクロズマの全く新しい形態であることがわかる。

ここで上記に加えたネクロズマの情報を整理しよう。

1.ネクロズマは伝説のポケモンである

2.ネクロズマは非常に巨大である(通常で2.4mウルトラは7.5m)

3.かがやきさまはネクロズマの本来の姿であり現在確認されている姿を指しており、厳密には現在確認されているフォルムを指したものではない

4.本来の姿については現在でも謎のままである

5.ウルトラネクロズマの姿はウルトラサンムーンの世界でのみ確認されている

これらの証拠より導き出された答えは…

 

   オオアマカジの正体はネクロズマの本来の姿(かじつさま)である

 

伝説のポケモンであるため当然伝説の存在であるといった伝承と何ら相違ない。さらにはネクロズマはいずれの姿においても巨大な姿をしており、本来の姿も同様に巨大であったことが推察される。かがやきさまという呼称はかじつが伝承を経て訛った、あるいは揺れた末の表記である。ウルトラサンムーンにおいてアマカジが絶滅したのはウルトラネクロズマとして顕現したためにオオアマカジとしての加護をもたらすことができなくなったためである。ウルトラネクロズマの姿を見せなかった世界においてはアマカジは繁栄を極めている。アローラには世界を行き来する特別な祭壇もあり、これらは表裏一体の世界の存在を証明するものでもある(そこで得られるコスモッグアマカジとトレードが成立するため同じ価値がある)。ではオオアマカジはどこにいるのか、その所在はウルトラスペースであろう。ウルトラスペースよりもたらす光でさえシェードジャングルの影を貫きアマカジ達をよりあまく繁栄させることができたので。そのためぬしとしてのラランテスの存在も説明がつくのだ。

ウルトラネクロズマのZワザは天焦がす滅亡の光である。天(あま)とはすなわちアマカジのことであり、光を失い狂ったオオアマカジは新たに得た光をもとにあろうことかアマカジをすべて焦がしてしまったのだ。かつてアマカジをウルトラシェードジャングルの彼方よりあまい光で照らした存在は、天へ牙剥く光の竜となり果てて…

 

かつてかじつさまは彼方の世界よりアローラへ光をもたらした。そして分かれた世界では新たな姿を得た。

 

いかがだっただろうか。オオアマカジの正体へと迫った本稿は一つの結論へとたどり着いた。その道にあったのはアローラの伝説である。伝説を生きたオオアマカジはいまも別の世界の彼方から、アマカジの繁栄を願って今日も誰よりも明るく、誰よりもあまくあるのだろう。

 

参考文献

 

アマカジのおいしい調理法

アマカジは焼却すべきである

アローラの光

ウルトラスペースについて

害鳥駆除100選

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